第72章

それは少し言葉が厳しすぎる、全員の視線が大塚雪見に集まった。彼女が何か説明してくれるのを期待しているようだった。

大塚雪見はあるデザイン画を指さしながら、わざと声を大きくした。

「このデザイン画は三年前の青年デザインコンテストで金賞を受賞した作品よ。その後、海外のプライベートバイヤーに買い取られたわ。確かにマイナーな作品だけど、多くの人の記憶に残っているはずよ」

彼女は話しながら、スマホを取り出して当時のニュースを検索した。

案の定、ニュースには原画のぼやけた画像が載っていて、問題の図とまったく同じものだった。

「やっぱり常習犯ね、また人を騙しているわ!」

大塚雪見は眉をひそめ、...

ログインして続きを読む